小屋日記(草太郎記)
午前10時頃、タケダさんに自宅まで迎えに来てもらい、鷹栖のあすみちゃんに会いに行く。
昨日連絡が来たときの出発時間は9時30分。
30分ほど押している。
車中でタケダさんの様子を見ても、明らかに乗り気ではなさそうだった。
タケダさんの意図としては、ぶんか小屋の今後の具体的な展望をあすみちゃんに相談しに行くつもりだったようだが、
まずは朝から冬の野山で体を動かすことの楽しさを体感してほしい、というあすみちゃんの想いで「野遊びの日」に変更になった。
個人的にはとても嬉しい。
あすみちゃん宅に到着後、体をほぐしてから自宅近くの丸山まで散歩をしようということになり、ゆる体操を教えてもらう。
なるほど、これがウワサのゆる体操か。
ピンと緊張感のある空間で、3人それぞれが体を緩める動きを実践しながら、「もぞもぞ」、「ぷらぷら」、「こぞこぞ」と小さくつぶやいている。
それがなんだかおかしくて、体と一緒に場の空気も緩んでいくような気がした。
準備体操が終わったところで、さっそく丸山へ。
何度か連れてきてもらっているが、真冬に行くのは初めてでワクワクする。
まっすぐの道を歩きながら、ゆる体操を交えつつ、丸山の麓を目指す。
自分は特に喋りたい気分でもなかったので、黙って歩く。
犬のフクタが勢いよく走り回っている姿を見て、こちらもパッと嬉しくなる。
目的の地点まで到着したが、どうやら奥で除雪をしているため、雪が踏み固められており、麓の神社まで歩いて行けそうだった。
後ろから、タケダさんの「疲れた、引き返そう」という念を感じたような気がしたが、無視してフクタとずんずん進む。
横からはあすみちゃんがスキーでスイスイ。
最後尾からはタケダさんがヨタヨタ。
神社が見えるところまで来ると、木々から陽が差し込んでいて、とても気分が良い。
あすみちゃん宅に帰宅後、お昼ご飯をご馳走になる。
自家製ソースのジェノベーゼパスタ。
あすみちゃんの作るご飯は本当にしみじみ美味しい。
味を確かめながら、ゆっくりいただく。
その後はコーヒーを飲みながら、ぶんか小屋についてあれこれ話す。
なかなかはっきりした答えが出ることはないけれど、こういうことの積み重ねが土台作りとして大切なのだろう。
そんなこんなで喋っていたが、だんだん話題は別の方向へ。
お互いの家族のこと、学生時代の話、お酒が飲める人と飲めない人の話、政治の話……などなど、雑多な話題がテーブルを中心にぐるぐる回る。
特に、タケダさんと自分のコミュニケーションのイメージ像が全く違うのが印象的だった。
そして、その時々で静かに言葉を紡ぐあすみちゃんには、いつも新しい気づきをもらっている。
3人の中で一番年下の自分が、生意気なことを言っていたタイミングが多かったような気もするが、2人とも真剣に耳を傾けてくれる。
こんな人たちが身近にいて、会いに行ける環境があるのは、本当にありがたいなと、じんわり実感した。
18時頃からは、あすみちゃんに夜の会までお誘いいただき、自分は美味しい日本酒を飲みながら、またまた一生懸命喋る。
途中からあすみちゃんのお母さんも交えて、たくさんの美味しい料理を食べて、身も心も大満足。
食後も少しお喋りし、なぜかタケダさんと自分が「ペラ紙一枚ZINE」を作ることに落ち着く。
日付が変わる前においとますることに。
タケダさんが言っていて気づいたが、12時間近くお邪魔していたようだ。
タケダさんと出会って、ぶんか小屋を手伝うようになったが、その時から「なんだかいじけているなーこの人」なんて思っていた。
でも今日の会話や、帰りの車中で聞いた思いを聞いて、なんだかんだで頼もしくて、かっこいい大人なんだなと感じる。
別れ際、タケダさんとの会話で車の送り迎えに思うところが無いわけではない、と言っていたことを思い出し、いつもより大きめの声でお礼を言ってみる。
その直後、長靴をあすみちゃん宅に忘れたことに気づく。
また近々行く理由ができたなと思いながら、長く楽しい一日に名残惜しさを感じつつ、家のドアを開けた。
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